◇不登校の原因調査

私たちは開校まで2年に渡る調査と視察、設立後は各自治体の教育委員会、小中学校長・教頭・担任、地元警察、県市議会議員そして同業者と様々な議論を通し、一つの統計を導き出しました。

以下はおよそ4項目に大別しましたが、これらに紐づく様々なケースがあり、生徒ひとりひとりの状況はさらに細分化されますので、統計のひとつとしてご参考ください。

◇原因① 外的要因による不登校

 

不登校の原因のうち、およそ6割は「いじめ」をはじめとする学内不和です。本校の生徒からのヒアリングでも、相当に凄惨ないじめ体験を耳にすることがあります。いじめの原因は様々ですが、自身の容姿や体型、吃音などのほか、最近は自身の性的マイノリティによるものも増えてきました。また、担任の先生と信頼関係を構築できなかったり、立ち直れないほどに酷く叱られたり、中には担任から殴打されたケースもあり、児童の心にトラウマが植え付けられてしまっていることもありました。

ですが、こういった「児童本人に責任がない外的要因による不登校」の場合は、ひとりひとりの主張や体験に耳を傾け、肯定し心を強くする事によって、本校においては早期に復学するケースが多いです。

◇原因② 無気力による不登校

 

次いでおよそ3割が児童の「無気力」に起因するものです。特にいじめられてもいない、先生が嫌いでもない、親子関係も悪くない、ただただ朝起きれず、夜遅くまでYoutubeやゲームで遊んで1日が終わってしまう。夢や目標、生きる意味を見出せない。オンラインにのみ「繋がり」を求める。そんな児童が増えてきているのも事実です。

本校では音楽に興味がない児童にも、音楽を通して「0から1を作り上げる経験(作曲)」を通し、夢や目標を見つけることに尽力しています。もちろん、音楽はひとつの「きっかけ」です。必ずしも将来は音楽家になる事を薦めるわけではありません。あくまで「0から1を作り出す」という経験を会得するためのひとつの手段として音楽を設定しています。

◇原因③ 親の再婚等による不登校

 

問題は残り1割の原因です。それは「家庭が原因の不登校」の場合です。

この1割のうちの半数は昨今急増している「ひとり親世帯」です。この離婚や死別による「ひとり親世帯」自体は咎められる事ではございませんし、いまどき同じクラスに何人も「ひとり親世帯」がいるため、平成初期のような「片親」という理由でいじめられることはほぼありません。

しかし、これが「再婚」となると事情が変わってきます。新しいパパ・ママと関係がうまく構築できず、家庭内の居場所が無くなってしまうケースが実際にありました。実体験をもって「ひとり親」の心労は充分に理解しています。きっと毎日が戦いであり辛い日々でしょう。金銭的なサポートも必要です。ですから新しいパートナーを探したいという気持ちも理解できます。しかし、お子様が小中学生に及んでからの再婚は、絶対にご自身の恋愛感情だけで決めるべきではありません。お子様との相性をどうか尊重してあげてください。やがてこの家庭内での不和が小中学校でも影響し、いじめ等に発展するケースが多くあります。かと言って再婚を避け「ひとり親」を奨励するわけではございませんが、少しでも金銭的負担を軽減しようと「ひとり親」を対象とした料金設定を実施しております。

◇原因④ 保護者に起因する不登校

 

さて、残り1割のうち半数は「保護者の極端な思想や教育方針が原因の不登校」です。

「そもそも学校なんて行かなくていい」という保護者が一定数いるのも事実です。様々なお考えがあるでしょうし、そのお考えを真っ向から否定するつもりはありません。しかし更に問題なのはこの考えに至った経緯が、保護者が信仰している宗教やスピリチュアル系によるものであったり、保護者自身に精神疾患があり他者との意思疎通ができないがためにその責任を全て学校や教室に転嫁されるケースも実際に経験しました。これらが原因であった場合は不登校が改善されることはまずありません。

 

原則として本校ではこれに該当していると判明した時点で、入会を遠慮させていただくか、ご退会いただいております。これはもはやフリースクールで解決できる問題ではないですし、「保護者が原因の不登校」の典型例です。

本校としてはこれが判明した時点で在籍小中学校へ連絡を取り合い、小中学校長の判断で児童相談所等への通報を促す場合があります。

◇まとめ

 

冒頭にも記載しましたが、これらは不登校の原因を大別したものであり、実際は更に根深く細分化されます。しかしこれによって見えてきたのは、

 

 ・原因が家庭内にあるか否か

 

という点に絞られます。

①や②のケースは必ずしも本校ではなくとも比較的早期に復学が可能ですし、児童の心の傷が癒えるのも早いです。それに目標が見つかった瞬間の児童の笑顔は本当に眩しいです。

ですが③や④のケースのように「家庭内に原因がある場合」は復学はほぼ不可能です。どれだけ児童本人が復学を望んでも、友達が欲しいと望んでも、保護者が自分自身に原因があると気づき、理解し、向き合わなくては残念ながらどんなフリースクールに通っても叶うことはまずありません。